star dust
初めて電車に乗り,冒険をしている気分になった


それは縁も同じらしく,俺たちはほとんど人のいない電車で騒いでいた


今思えば迷惑な話だけども


しばらくして電車を降り,また奈緒子を先頭に歩く


『もうすぐ着くよ』と言われ辺りを見渡すと,少し見える観覧車


…もしかして


考えないようにしていた,けどこれは…遊園地



「縁っ」


「ちゃあんと約束守ったぞ
 奈緒子のおかげだけどな」


ニシシッと笑う縁に何も言えなくなった


約束を守ってもらうって嬉しいことだったんだ


こいつだったら期待していいんだ


必死に涙を堪えて『ありがとう』と言う


すると『もう大丈夫だよ』と頭を撫でてくれた奈緒子



「早く入ろうぜ!!」


縁に手をひかれ,俺たちは遊園地に入る


初めてだった遊園地はめちゃくちゃ面白かった


縁と奈緒子と一緒だったから余計に


でも…案の定,施設に戻ってからおかあさんにこっぴどく起こられたんだけど






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