star dust
「笑うなよ
 …あ−もう行くぞ!!」


半ば自棄になって初音の手を取り,歩き出す


途中で会う看護師たちに『可愛い』とか『いってらっしゃい』とか言われて初音は上機嫌


でも車の中では大人しく外を眺めていた


もう見ることが出来ないかもしれないと思って,と聞いたのはしばらく先の事



「二人とも楽しんでくるのよ??
 いってらっしゃい!!」


遊園地の敷地前で降ろしてもらい,見送られる


初音は度々振り返り,母さんに手を振ってるんだけど…


それより前を見てほしい


軽く溜め息が零れ,俺は初音の手を取った



「危ないから…と迷子防止」


「そんな子供じゃないもん!!」


ぷぅっと頬を膨らますが,入場ゲートが見えるとすぐに笑顔になった


園内での初音の浮かれ様は言うまでもない


まぁ…例えるなら千香の普通


あいつの普通は普通じゃないからな


なんて思っていると手を繋いでたはずの初音がいない


今日はクリスマスのせいか人が尋常じゃなく多い


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