star dust
数十分,俺は伊崎葵の質問に答え続けた


ふと黙った伊崎葵は大きく深呼吸をして言った



「あんたせ−ちゃんの何?」


俺は静の何か…


静に聞けっての


まぁこいつの言いたいことは分かる



「仲間」


“好き”ってこいつにはバレてると思うけどあえて言わない


だって俺に勝ち目はない


静の気持ちもこいつの気持ちも知ってるんだから



「静は大切に思ってくれてるけどそれが“好き”とは違う感情だって分かってるから…これ以上聞くなよ」


それでも何かいいたげな伊崎葵にトドメをさす



「おまえの事情を聞いても静から手を引こうとは思わない
 俺も訳ありなもんでね」


驚いた顔をした伊崎葵は吹っ切れたように話してくれた


今の姿の意味を−…





「ここまで送ってくれて助かった」


「黙ってくれるって言うし,思ったよりいいやつだったから気にするなって
 あ−ちょっと携帯貸して」


と言いながらポケットから携帯を盗った葵は勝手に操作している



「アド入れといたからメールしといて
 じゃあ母さん待ってるから…またな!!」


太陽みたいな笑顔を残して,葵は走っていった


…静が惚れるの分かった気がしたよ



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