‡姫は王子に逢いたくて…‡



いつもの癖で
ひとり想像をふくらまし
プッと吹き出していると


いきなり上から
頭をくしゃくしゃっとされた。


「ちょっ//ボサボサになるーっ!」


両手で髪を抑えながら
銀河を見上げると


「家まで送れ。」


銀河がしれっとした顔でそう言った。



「えぇっ!なんでわたしがっ。」


「バーカ。冗談だよ。送ってやる。」


わたしがムキになっていると
いきなりバッとバッグを奪って前を歩きだした。


「あっ。ちょっと銀河?!ひとりで帰れるよっっ!//」


「あぶねーだろ。マヌケな夢っ子ひとりじゃ。」


「すっすぐそこだから大丈夫だもん!」


銀河はわたしの言葉に耳を傾けようとせず
いきなりグイっと手首をひっぱる。


「黙ってさっさと来い。」


そういうと
掴んだ手首をすぐに離した。



< 111 / 234 >

この作品をシェア

pagetop