‡姫は王子に逢いたくて…‡
「なぁ夢恵、さっき自習の時間なんか言いかけてたよな?」
「あ、ううん。たいしたことじゃないから。」
映画に誘おうとしてた気持ちをごまかして笑顔を作った。
「ふーん。ならいいけど。なんかあったら言えよ?..な?」
「うん。大丈夫。かえろ。」
わたしが日向のシャツの裾をひっぱると
「俺はこうのがうれしんだけど。」
そういって肩に腕を回した。
ドキンッ//
今だにわたしは日向のちょっとした行動にドキドキしてしまうけど、
日向はちがうんだろうな。
「ちょっと遊んでかえろうぜ。」
「うん。」
なんだかスッキリしない気持ちで
足を進めた。