‡姫は王子に逢いたくて…‡
「なんでもねーよ。俺傘あったから一緒にはいってけ。」
「え?!でも、もう教室目の前だし。...?」
銀河突然どうしたんだろう。
「いーから!来い!」
「ちょっ、ぎ、銀河っ?」
銀河はわたしの前に立ち塞がるようにたち
わたしの肩を掴んで方向転換させようとする。
「やっぱりここまで来たんだし傘とってくる〜。」
銀河の前をするりと通り抜け
教室の扉に手をかけると
「まてって!!夢恵!」
この時が初めてだと思う。
銀河がわたしの名前を呼んだのは。
ガラッ
そして教室の扉を勢いよく開けたわたしは
目の前の光景にその場から動けなかった。