‡姫は王子に逢いたくて…‡



はぁっはぁっ!!


教室から飛び出して
ザーザーと降る雨の中へ飛び出さずにいられなかった。



日向


女の人と抱き合ってた。

前にキスしてた先輩と...



どうして


なんで用事があるなんて嘘をついたの?



パタパタとこぼれる涙が止められなかった。
どんどん溢れて
止められない....



「夢恵っ!!」


「やだっ!離して!!」


「夢恵っっ!!!落ち着けって!」



どしゃぶりの雨の中
追い掛けてきた銀河が腕をグイッとひっぱる。


水浸しになってしまった制服から、髪の毛から雫が飛んだ。



「日向を..信じなきゃ信じなきゃって、こんなに苦しくなるほど好きなのにっ...どうして嘘つくのっ!何を信じたらいいのっっ?!...っひ...ぅえ...」



涙も大きな声も止められない。
胸に貯まっていた気持ちがいっきに溢れてぶつけたいはずの日向ではなく

銀河にぶつけてた。



あとを追ってはきてくれたのは
銀河だったから...



< 139 / 234 >

この作品をシェア

pagetop