‡姫は王子に逢いたくて…‡
◆観覧車…最後のキス..
「もうそろそろ帰らなきゃ。」
空は夕焼けが広がり
日向の横顔が赤く照らされる。
閉園前の遊園地は
人どおりが少なくさみしい雰囲気だった。
「せっかくだし、これのって帰らねぇ?夕日沈むの見えたらサイコー!」
わたしたちの目の前には
空まで届いてしまいそうなほど
大きな大きな観覧車。
「そうだね。観覧車は定番だしね!」
日向と二人同時に乗り込んだ観覧車は
シンと静まり返り、
ただ観覧車が動くコトコトという音が響き
この世にたったふたりきりのような気分がした。