‡姫は王子に逢いたくて…‡
「.....夕日もうすぐ沈むね。」
向かい合わせに座る観覧車の中は
重い空気が流れてた。
「夢恵、あのさ。俺..」
「日向っ。...」
わたしは日向の言葉に被せて
口を開いた。
この時日向は何を言いたかったんだろう。
その続きを聞くことはもうない。
「あの....ね。日向...」
「なんか嫌な予感。」
そう言った日向は苦笑いをする。
日向はわたしの気持ちに気付いてるんだろうか。
「あの..ね。わたし.......日向と別れたい。」
「....夢恵。」
「日向といると..楽しいし、みんな初めてのことばかりでドキドキするし...」
日向は何も言わずに
ただじっとわたしの目を見つめ
耳を傾けてくれていた。
「でも、....わたし。..このままじゃどんどん日向に嫌われちゃう。ヤキモチいっぱい焼いて嫉妬して..嫌な女になる。」
「そ..そんなんで嫌いになったりしねぇよ..//」
「....。日向が他の女の子にやさしくするのもやなの。わたし..独占欲つよいから....。」
「夢恵っ!!俺..ごめん。..もう嘘ついたりしねぇし、ちゃんと夢恵だけをみるから。」
ガシッと両肩を掴み
日向は俯いたままのわたしの顔を覗く。