‡姫は王子に逢いたくて…‡
「銀河、じょうず〜!包丁使い慣れてるね。」
葱をきざむ銀河の手元に
思わず見とれ
へーっと感心しながらわたしは身を乗り出していた。
「だから!俺にできねーことはねんだって。」
「またまたぁっ。」
銀河の家のキッチンで
冗談を言い合って笑ってる。
なんだか変な気分。
でもホント、
銀河って色んなことができるんだ。
かっこよくて頭もよくて
なんでも出来てしまう。
そんな銀河の欠点てどこだろう?
..あえて言うなら
いつもムッツリしてて愛想のないとこだろうか。
だけど
それもわたしには逆に銀河のいいとこなんだと感じる。
「夢っ子。そっちの器とって。」
「コレ?」
「届くか?」
「うん、なんとか!」
そういって爪先立ちで食器棚に
手を伸ばす。