‡姫は王子に逢いたくて…‡



それが余計に悲しくて
やさしさが胸にしみて

涙があふれた。


「よしよし。大丈夫!今の夢恵はめちゃくちゃかわいいから!奈々にも負けないぐらいだよ。」



そういってわたしを抱きしめて
背中をポンポンとしてくれるヒロ。



「ヒロぉぉぉ...ぅえっ..えーん。」



「ホラホラ。せっかく綺麗にしてるメイクがとれるよ。....元気だしなよ?また明日ね!」


ヒロは帰り道が違うから
途中で別れる。


「妹尾くん。夢恵のことお願い。」


「おぅ。俺コッチだから家まで送ってくわ。」


えっ?!
日向とフタリキリ?
えっえっ!


わたしが動揺するのもお構い無しに
二人は会話を進める。



「あっ!くれぐれも夢恵に手は出さないでよっっ!!」


少し離れた所から
ヒロが日向に向かって叫ぶ。


「はいはい。保証はできませんけどね。」



日向は軽く舌をだして
そんなことをボソッとつぶやいた。



ちょっ!
ちょっと誰かぁぁぁっ!

わたし危険じゃないんですかぁ!?



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