‡姫は王子に逢いたくて…‡



「そういやぁさ、昨日のアイツ俺どっかでみたことあんだよね。」



「昨日のアイツ?」


日向のボヤキにヒロが
目をまるくする。



冷血男の話か。


「確かに顔は俺に劣るか劣らねぇか。ちょっとイケてるからって気取りやがって、うぜぇ。」


イケてるって..
それは必然的に自分のことも
ほめてんのね........


でも

日向の言う通り、
冷たい雰囲気だったけど


すごくかっこよかったのは確かだ。



スッとした顎のラインの顔立ちに
すっきりした高めの鼻と
色気のある唇。


あとは瞳がとても綺麗だった。
色素が抜けたような薄茶色の
柔らかな前髪の隙間から覗いた瞳に
吸い込まれそうだった。



「そんなかっこいい人が教城学園にいるの?」



「え?なぁに?イケメンの話?わたしもききたいなぁ!」


ヒロと日向と3人ではなしていると
奈々がやってきた。


「あ、奈々おはよ!!」


っていうか、
奈々の藤堂先輩の方がわたしにとっては
イケメンですーっっ!(涙)



....なんて、言えたらいいのに。



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