‡姫は王子に逢いたくて…‡



―――…


「夢っ子。」


教室の入口でへんな呼び名が聞こえた。



声のした方に顔をやると
薄茶色の髪をまるで寝起きのような無造作に整えられたヘアスタイルに
やっぱり制服のネクタイを軽くしめた鹿井銀河がいた。


相変わらずやる気がなさそうだね。

だけど

そんな姿もどこか存在感があって教室の中の視線が銀河にあつまった。



「ちょっと、変なあだ名はやめてよ。」


ブツクサ文句を言いながら銀河の元に近づく。



すると、銀河のあとを付けてきたのか
すこし離れたところから女の子たちが顔を赤らめてこちらをみていた。



..妙ちゃんの噂どおりモテるんだ?




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