‡姫は王子に逢いたくて…‡
「夢恵っ!?ちょっと夢恵大丈夫?!」
地べたにペタンと座り込んで
放心状態のわたしをヒロが
ぶんぶん揺さぶる。
「っ!いっいやゃぁぁぁぁっ!わたしのキ、キ、ファーストキスぅぅぅぅぅっ!」
ハッと我に返って
キスを奪われたことに気がついた。
あれがキス!
毎晩妄想してた憧れのキス!
なのに
なんなのあの男っ!//
漫画でいつもイケメンに
いきなり熱烈キスされちゃうなんて、夢みたいなのに憧れてたけど
こんなの全然違うっ!!(涙)
全然嬉しくもドキドキもないっ!!
「藤堂先輩との憧れキッスを返せーっっ!なにがヨロシクだ!変態ヤローっっっ!」
わたしは涙目になって
空に向かって叫んだ。
わぁぁんっ
「でもさ、かっこよくなかった?妹尾日向。わたしタイプかも〜っ♪ねっ、キスどうだった?」
「...........。」
ヒロ嫌い..(涙)
「どうもこうもないよっ!//汚れたよ。もう..ダメ。わたし汚れなの。」