遊女と経営者の恋愛事情-Ⅱ-
今は午後9時。
あれから結衣は
一度もリビングへ来てない。
まさか…調子悪いわけじゃねぇよな。
結衣の事だから…わからねぇな…。
俺は足速に結衣の部屋へと向かった。
何もないならいんだけどな…。
部屋へ着くと
ノックをして構わず中へ入る。
電気すらつけず静まり帰る部屋の中
結衣はベッドで横になっていた。
「…ご飯も食べねぇでどうした?」
「……お腹空いてなくて」
「調子悪いのか?」
「ううん。違うよ」
結衣の声に違和感を感じる…。
掠れた力ない声が聞こえた。