遊女と経営者の恋愛事情-Ⅱ-
「………結衣」
その声を聞くと
胸の鼓動が高鳴り心拍数が上昇する。
間近で聞こえる大好きな人の声。
ずっとずっと聞きたかった声。
なのに……素直に喜べない私が…憎い。
「…………………」
「結衣……待たせて悪かった…」
「……龍也さん………私……龍也さんに…合わせる顔ないの……ごめんなさい…」
シーンと静まり帰る部屋の中で
もう一人の足音が聞こえた。
嫌な予感がする…。