愛してる…ただ、それだけ…
プロローグ
ピッピッと部屋に響く機械の音。
「奏、おはよう。今日はいい天気だよ」
声を掛けても起きるはずのない毎日奏に声をかける。
これが私の日課。
奏はこれからもずっと眠ったまま。
起きる確率は0に近いというかほぼ0だって。
私は奏の部屋にある花瓶の水を入れ替えて、
ベッドの横にある机に置く。
その机には私と奏、2人で撮った写真がおいてある。
それがなんだか切なくて…
あぁ、あの時から時間は止まっているんだって思う。