愛してる…ただ、それだけ…
「学校にはちゃんと奏の名前はあるんだよ。学校に一度も来てないからまだ1年生だけどね。おばさんとか、中学から一緒だった人が真剣に頼んでくれたんだよ。
ほら、偶に来る男の人いるでしょ?あれは、今の奏の担任。
優しい先生だよ。」
ピクッ
また、奏の指が動く。
「ちゃんと、話聞いててくれてたの?」
奏がこうやって反応してくれるのを見ると凄く嬉しくなる。
「奏、奏?今日起きないの?」
無反応…
でもいい。まだ、奏は生きてるから。
コンコン
ノックの音とともに部屋に入ってくる1人の人。
「先生?」
「よぉ。元気にしてたか?」