愛してる…ただ、それだけ…



「泣くな。折角似合ってたのに台無しになるぞ?」


そういって私の目からこぼれる涙を奏はそぅっと拭う…


「ぅん…」


「ほら…今日はもう帰れ。夜は危ないから。」


「ぅん、ばいばい。」


鞄を持って椅子を立つ。


くいっ

奏に腕を掴まれて振り返る。



「忘れ物…」



ちゅ…



「久々…だな…」



「うん…」



「気をつけて帰れよ。送ってやれなくてごめんな。」



「いいよ。また明日朝と夕方に来るね。」


夜の病院は少し暗くて、ちょっぴり怖い。よくあるじゃない、こういうときに後ろからトントンって肩を叩かれるの…


トントン


え”…


「キャーっ」


「おいおい、俺だよ。進藤。」


顔を見るとその人は進藤先生だった。


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