Magician Song〜魔術師の唄〜
――――――…
パタンと、扉を閉める音が、小さく響く。
外から帰って来たリアは、そのままベッドの前までいき、それにどさりと倒れ込んだ。
そして小さく、息をつく。
――おそらく、自分は馬鹿なのだろう。
枕に顔を埋め、胸の内でリアは呟く。
何度も何度も、考えては落ち込む自分。
考えて魔法が使えるようになるのならば、誰も苦労はしない。
この世界に生きる者ならば、誰しもが使うことのできる通常魔法。
それが使えない自分は、落ちこぼれ。――又は、全く才能がない。
そう、割り切ればいいだけ。
なのに。
いつか、普通の人のように魔法が使えるようになると。
夢を見ている自分が、確かにいるのだ。
特殊魔法だけでも使えているのだから、と。
だから頑張ろう、と。
そう思ってしまっているから、いざ使えなかった時の落胆具合といったらもう、かなりのものだ。
何で使えないのと、涙が溢れる。
絶望が、自分の体を支配する。
ああ、自分は。
「〜〜〜っ…、…ゔー…っ」
やはり、馬鹿だ。