Magician Song〜魔術師の唄〜
思わず遠い目をしていたリアは、苦笑しながらぽんぽんと父の背中を叩く。
「…ね、ご飯食べようよ」
リアがそう言うと、ぐいと目元を拭った父がはははっと笑う。
「そうだな!泣いた父さんは更に腹が減った!さぁ、飯食おうなっ!」
そう笑う父には、再び豪快さが表れている。
そのげんきんさにほとほと呆れながら、リアはうんと頷いた。
開け放たれた大きな窓から、柔らかな風が流れ込む。
それが白い大きなカーテンをなびかせ、ばさりと音を立てた。
昇ったばかりの陽が、リビングに差し込んだ…―――。