いつだってマーメイド
タッタッタッタ・・



近づいてくる。誰?




振り向く暇もない。

バン!!音の方が早かった。

音がして、あたしの体が倒れそうになる。

衝撃が、全身に走る。



『愛理!おはようー!』



あたしは息をつまらせた。押された背中がじんじんする。

この声、この飛びつき方・・あゆしかいない。


あゆとは、あたしの大親友の荒木あゆのこと。



ゲホゲホ・・んん!

よし、息が整った。


『あゆ、おはよう~でも、毎朝毎朝飛びついてくるのはやめてよね。
今日なんかまじ死ぬかと思った。・・げほっ』

『ごめんって!あ、今日はなんだか髪がべっとりしてるよ!あ、ヘアスプレー
を塗ったくったな!?』


『‥うん。』


くそ・・ばれたみたい。

だってこうでもしないと今日の髪型といったらライオンに等しかった。

ストレートパーマ、かけたいなあ‥。


ていうかなんで今日のあゆはこんなにテンション高いの!?

いつもはもうちょっとおとなしいのに。


合流したあたし達はのそのそと学校へ向かった。
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