いつだってマーメイド
後ろからひょこっと現れたのは陽菜ちゃんだ。
そういえば同じ教室掃除だった。

どんだけ教室掃除のメンバーは最悪なんだか。

この子苦手なんだよなあ。


『うーん、あたしにはこのくらいが丁度いいから。』
『あたしだったらびしょびしょにするけどね!』
陽菜ちゃんはそういうとにこっと笑った。
なんて返していいのか分からなかったから
あたしはまた床を磨き始めた。

カラカラの雑巾でキュッキュッっと音を立てながら。


う~ん、陽菜ちゃんなんでまたあたしなんかに話しかけてきたんだろう。
普段あんまり喋らないのに。

近くで見れば、陽菜ちゃんも結構かわいいことに気が付いた。
奥二重で長いマツゲ、ピンクの頬。
いかにも女の子!っていう感じのふんわりオーラ。


性格は微妙だけど。(あ、ひがみ?)

あんまりじっとみつめたので、陽菜ちゃんと目があった。

『んん~?陽菜の顔になんかついてる~?』
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