いつだってマーメイド
『わ~、お姉ちゃん遅刻しそうなんだってね!ださ~い!ぷ~』


ふと背後から声がした。


翔だ。

弟の翔がリビングから走ってきたらしい。

わざわざ玄関まで来てまでそんな憎まれ口をたたきたいのか・・。


『はいはいよかったですね。』

しらけた顔で一言言う。

こういうことはもう慣れてる。

どんなに冷たく返してもこりないんだけどね。翔は。



『よし・・行って来まーす。』

急いで家を出たけど、行って来ますの挨拶に、返事はなし。

なんだか気持ちがすっきりしない。もやもやがますます溜まる。

無視しなくてもいいのに。お母さん・・。イライラ。
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