いつだってマーメイド
あゆ・・何なの、さっきから!



『あのさ、じゃあ言うけど涼の好きな人ってあゆなんだよ?』





言った後すぐ後悔した。

言ってしまった。
涼との約束、やぶっちゃった。


何かしらとても悪いことをしたような
罪悪感を感じた。
大丈夫、大丈夫、涼には聞かれてない。
涼は知ってない。
あたしがばらしたこと。


心の中で大丈夫を繰り返す。


ごめん涼。ごめんなさい。


あたしの言葉を聞いて、あゆは目をぱっちりさせている。



『は・・?今なんて・・』
『・・!何もない、ごめんね今の忘れて?あ、教室戻ろう!ちょっと寒いし…』
動揺してるあゆの腕をつかみ、教室に戻ろうと歩き出した。
あゆの手は細くて綺麗だった。


そんな細ささえもなぜか憎らしかった。





『…い。おい!』
誰かの低い声がした。


聞き覚えのあるような、声。




ふと頭をあげると。
5Mほど先には見覚えのある姿があった。



その人物・・涼はこっちをにらんで教室に入っていった。





え・・・・?涼・・?
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