【 LOVERS 】
ドアが10cmほど開いた。

白いバスローブが・・・

目線を下にむけたまま
近づいて

『あの・・・これ』
と携帯を出す僕に、

「あぁ・・・君ね。どうもありがとう」
その声に視線をあげると

うそ?

また会えた・・・

僕は持っていた携帯電話を
ポトリと床に落としてしまった。

絨毯は厚く音もしない。

『すっ、すみません!』
スッと膝も曲げないまま
床に手を伸ばすと

コツン――と頭が触れた。

えっ?!

同時に拾おうとしていたらしい。

その彼を見ると
フッと目が優しくなった
ような気がした。

綺麗な瞳・・・・・・・


『あっ、これ、すみません』
と彼の手に携帯をのせた。

「・・・ありがとう」

『いえ、じゃぁ・・・失礼します』

立ち去ろうとした僕に



「ねぇ・・・君、お酒飲める?」

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