【 LOVERS 】
アクション映画を見た後、僕は夕食を作り
始めるためにキッチンに向かった。

繭はその間アニメのDVDを見てる。

何にしようかなぁ・・・

『繭、何食べたい?』

冷蔵庫を開けたまま、ソファーに座ってい
る繭に声をかけると

「・・・この間食べたの?何だっけ?
目玉焼きがのってる・・・?」

とこっちを向いて首をかしげる。

『えっ?!あんなんでいいの?』
と言う僕の声に

「うん。おいしかったよ」
と繭の口角が緩んだ。

『・・・うん。わかった』


繭が言ったのは・・・

時間がない時に作った超手抜き料理。

どれだけ手抜きかというと

ごはんの上に千切りキャベツ、カリッと炒め
たベーコンをのせ、その上に塩コショウをふ
った目玉焼き。

一番上にこんがり揚げたオニオンチップをふ
りかけたもの。

醤油とマヨネーズを混ぜただけのソースをか
けて、まぜまぜして食べるそれを目玉焼き丼
と僕は呼んでいた。


最後に食べたいものがこれ?

僕の今までの料理って一体・・・?


繭は少食だから、それ以外プラスで作ったと
ころで食べきれない。

とりあえず味噌汁かスープでも作るか・・・



そのメニューにそんな時間がかかるわけもな
く夕食はすぐに完成した。

『繭、できたよっ』
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