【 LOVERS 】
最終夜

【LOVERS】

僕が繭を買ったあの日

「稜・・・」

呼び止められて振り返ると、繭はデスクに置
かれた僕の渡したお金に手を置いて

「稜の1ヶ月この金で買える?」

僕は一瞬驚き・・・その瞬間、

我慢していた涙が一気に溢れ出していた。


色んな感情が入り乱れた。


最後じゃなくなった?

繭が僕を買う?

1ヶ月一緒にいれるってこと?

援助交際?

僕が繭を抱くために体を売ったことに同情し
た?

なんで?

どうして?


でも一緒にいれるのが嬉しい・・・

繭と一緒に・・・




やっとわかった。

繭と暮らしてわかったよ。



繭の優しさが・・・

この1ヶ月の意味が・・・

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