【 LOVERS 】
――1日そこにいた。

しばらくして涙が落ち着くとベットに移動し
た。

僕は、最後に1日だけ1人で居ようといつか
らか何となく思っていて、そうすることし
た。

前に繭と別れる時は、ホテルから先にでて
行きたかった。早く立ち去りたくてしかたな
かったのに・・・

でも、今はゆっくりと考えごとをすることが
できる。

時に思い出し笑って、時にまた涙ぐみ、それ
を繰り返しながら僕は次の日の朝を向えてし
まった。


玄関のドアを開けると朝の光と清々しさだけ
。徹夜したっていうのに妙にスッキリしてい
て気分がよかった。

朝の6時、酔っ払って寝てるサラリーマンを
横目にみて、大通りにでると

そのままタクシーに乗った。
少しだけ増えた荷物。

僕は汗をかくのが嫌い。

繭が持てといったら持って歩くだろう(笑)


朝の風景をタクシーの中から見ていると、
ふと叶夜のことを思った。


なんかひどいことをしてきた気がする・・・


叶夜は帰る前に僕の頬に必ずKissしていた。

あれは「好きだよ」のKissだったのだと
、今さらながらわかった。

僕は同じことを繭にしたから・・・


叶夜のバカな行動は僕を笑わせるためだっ
たことにも気づいた。

僕も繭に笑ってほしくて変なことばかりした。

投げKissもそれだ。

僕は鼻で笑ったけど・・・。


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