【 LOVERS 】
あの後、叶夜の名前が本名だったことを知っ
た。

お母さんが夢が叶った夜、今のお父さんと結
婚した日?僕はやれた日だと思う、それによ
ってできた叶夜、玉の輿にのれたお母さん。

叶夜は、金持ちのボンボンだったけど家を出
て1人でやっていくことを決めたらしい。

援助はない。

金持ちには金持ちなりに嫌な家庭環境があ
るんだろう・・・



繭とはあの別れた後、偶然また会い、今も
時々連絡をとっている。

もちろんSEXはない。

この間、冗談で「繭ぅ~いくら?」訊いたら
繭は笑顔で「500万」と言っていた。

『げっ?!』
と驚く僕をみて

「本気だったらオレが稜を買ってあげるよ」

と本気とも冗談ともとれないことを言い、意
味深な笑みを浮かべた。

相変わらず美人で、相変わらず好きだった。


繭に叶夜のことを話すと

「・・・稜っていじわるだよね、その人かわ
いそう」

と言ったけど、繭にだけは言われたくない。


繭・・・あの時僕も犬になったんだけど?

やっぱり酔って覚えてなかった・・・。


僕が繭以外の人とやっても抱く側になること
はもうないと思う。


繭だったからだ・・・


人は好きな人のためだったら我慢もするし、
無理もする。

相手のためにする努力を僕は『愛情』と呼び

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