【 LOVERS 】
それを与えてくれる人を【LOVERS】
と書き、愛人と訳す。

それが本当に『愛してる』と結びつくのかは
まだわからないけど・・・

――そのうちきっとわかる。



夕方、店にでかけようと準備をする僕の横で
叶夜が急に大きな声をあげた。

「あぁぁぁぁ!!!何これ??」

・・・うるさい

片耳に右手の人差し指をあて、叶夜を睨むと

「稜、これ着てぇ~!見るだけだから何
もしないからぁぁぁ!!」

と興奮ぎみに言ってくる。


それを見て僕は

なぜ見つけた・・・?

『・・・やだ、無理!仕事行くから』

とスタスタとその場を離れる。


「絶対可愛いって!!この猫耳ぃ~!
裸にエプロン~~!!」

と追っかけてくる叶夜。


階段を駆け下り、下のドアの前を開ける前に
上にいる叶夜に向かって言った。

『叶夜はさぁ、猫としたいわけぇ?

それともネコの僕としたいのぉ~?

猫耳つけたネコの僕としたいのぉ~?』

叶夜は一瞬笑って「・・・稜としたい」と照
れたように言う。


『あっそう、じゃぁ今夜・・・明日の朝ね』

と言って僕は家をでた。


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