【 LOVERS 】
僕は求人雑誌を見て
バイト料、優先で電話しただけだった。

でもここは・・・
ちょっと…

「君、面接の村上稜くん?」
と声をかけてきた。

『はい・・・いえ!失礼します』

と僕が変な返事をして帰ろうとすると

「君!ちょっと」

片方の腕をつかまれ止められた。

その人はいきなり僕の顎を
くいっと軽く掴み左右に振る。

はっ?!

その後、服の上から僕の肩や
腕、胸、腰にペタペタと触れる。

こいつゲイか?

『あの~・・・』
訝しげに見つめる僕を無視し

「君いいね、合格!」

そう言い、渋い40歳くらいの
オーナーが嬉しそうに笑った。


この店はルックス重視だと
入店したその日にすぐわかった。

男はイケメン揃い、女性の人数は
少ないが、多分一般では綺麗とか
可愛いとか言われてる子だろう。

イケメン好きの僕には
いい仕事場だった。

そしてゲイだと思ったオーナーは
ただのストレート。

だから僕もここでは自分がゲイだと
いうことを秘密にしてる。

聞かれてないしね…

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