【 LOVERS 】

揺れる心

キュッ――

と蛇口を閉めて外に出る。

借りた稜の服を着て
カーテンを開けた。

「稜ありが・・」

いない・・・?

この部屋に隠れるとこなんて
ないし・・・

どこに行ったんだろう?

窓を開けると外はまだ
雨が降っていた。

前の通りを見ながら
今まで稜と会わなかったのが
不思議だ。

もしかしたらすれ違ってる
かもしれない。

オレは援助交際の後
ここの前を何回通っただろう・・・

そのうちバレるかもね。

稜はオレが援助交際してると
知ったら軽蔑するかな?

部屋の中を見渡しながら
ベットに腰を下ろす。

目の前に見える巨大な
スクリーンでゲームしたら
面白そうだなっと思った。

肩にかけたバスタオルで
髪を拭うと


バタン――

と下の方から音がした。
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