【 LOVERS 】
繭がDVDを選んでる。
その後ろ姿を
ベットに座って眺めていた。

繭はどんな映画が
好きなんだろう?

アニメはない。
今度何か・・・?
いや、やめておこう(笑)

あっ!それは!!

「稜・・これ見たの?」
と繭が振り返って言う。

『・・・うん』
僕は繭の書いた脚本の
ドラマのDVDを借りていた。

「でっ・・どうだった?」

えっ何?なんか怒ってる?
繭が僕を見据えてる・・・

『・・・えっと、率直な感想を
言えばストーリーは面白いけど
・・・何でこの女優が主演なのか
わからない・・この役は、
もっと年上でもっと落ち着いた
雰囲気の人がやった方が・・』

あぁ~・・・言っちゃった。
繭には嘘つけないんだもん。
何なまいきなこと言ってんだか

『あの・・ごめ・・』

「だよね。その新人女優
事務所の一押しでさ」
と繭が笑っていた。

脚本の中では34歳の女の人
だったのが24歳の新人女優が
やることになったらしい。

脚本の書き直しがあったり、
無理な注文も多いらしい。
繭は自分の作品をあまり見ない
と言った。

脚本家って大変だな。
そしてストレスたまりそう。


結局、僕らは2人ベットで
横になってアクション映画を見た。

僕がポップコーンを持ってくると
繭はツボに入ったらしく、
マクラを顔に押し付けて
笑ってるみたいだった。


男とベットにいて何も
なかったのは繭が初めてで・・・


でもこういうのって何だか楽しい。

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