【 LOVERS 】
繭に声をかけるのをやめ
後ろを歩いていた。

別に尾行してるわけではなく
帰る方向が一緒だっただけ、

カップルの姿が多い。
まぁ、ホテル街だから
しかたないけど・・・

家の前につき繭の後ろ姿を
見送った後、2階の階段を
上がってる途中でふと思い出した。


前に繭を見たことがある。

あの時は幻覚だと思ったけど・・・


何だか胸がざわついて、
ドアの鍵も閉めずに
繭が歩いって行った方向に
走っていた。


何だろう・・・

何で・・・?

この辺は、通り過ぎるだけ
だったら真っ直ぐ。

でもその先に繭はいない。


2つ目の角を曲がったところに

今まさにそこに入っていく瞬間。



男に肩を抱かれた繭が・・・




『・・・うそ?』

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