【 LOVERS 】
昼過ぎに繭に電話をした。

今日の夜から
うちのホテルに
滞在すると言う。

一瞬アイドルの顔が
頭に浮かんだ。

僕は仕事の邪魔しないから
部屋に遊びに行っていいかと
尋ねたら

「別にいいけどきっと退屈だよ」
と繭は言った。

別に・・・ね。

今日は来ないんだと安心した。


繭に会える嬉しさと

一抹の不安を抱きながら

その夜はやってきた。

< 59 / 143 >

この作品をシェア

pagetop