【 LOVERS 】
マクラを背中の下に
2つ重ねてそこに寄りかかる。

ベットから出た
叶夜の背中に向かって

『叶夜・・・僕がSEXするたび
金ちょうだいっていったら
どうする・・・?』

冷蔵庫を閉め、
手にペットボトルを
持ったまま叶夜は
戻ってきて横に座り、

「何・・・?
何か欲しいものでも出来た?
だったら俺が買ってあげるよ。
何が欲しいの?」

欲しいもの・・・?

『・・・マユ・・』

「ん?・・・何?」
と叶夜が僕の顔を見る。

『別に・・・
欲しいものなんてない』
僕は前を見たまま答えた。


叶夜が僕の頬にKissしてきた。

「俺は稜が欲しい・・・」

叶夜の舌が首から鎖骨に這う。

『・・・あのさ、1回でいいから』

叶夜が顔を上げ僕を見た。

「稜・・・お前の欲望が
満たされればいいの?
俺ね、お前が呼び出すから
店抜けて来たんだよ。
お前が今すぐ抱いてって
言うから・・・
何かあったんじゃないかって」

『うん、だからもういいって
・・・痛っ・・何?』
俺の手首を掴む叶夜の手。

「俺にも感情があるんだよ?」
いつもと違う真面目な顔をする。

『・・・感情って何?
僕と叶夜の間にあるのって
SEXだけでしょ?
今日は僕が誘った。
そしてそれに叶夜がのった。
叶夜が2回したい。
でも僕はしたくない。
それだけだよっ。』



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