【 LOVERS 】
「・・・もういいかな?」

あきらかに外で聞いていたで
あろうその人は、

少し口角を上げ涼しげな笑みを
浮かべていた。

『あっ、はい、すみません』
と僕はなぜか両方の手を肩まで
あげ、壁側に避ける。

片方にバケツ、もう片方には
ぞうきん・・・

「・・・ありがとう」
とちらっと僕の顔を見て、
すぐ逸らしたけど・・・

パタン―――


ん?!

今笑ってなかった?


何?



小馬鹿にされたような・・・


なんかむかつく…
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