【 LOVERS 】
『・・っ・・・・・ハァ・・』

しんどい・・・

ウザイ・・・・

早くイケよ・・・

・・・やたらでっかい声を出して
そいつはイった。

帰り際そいつは僕に
金を渡す時に

「ラッキーだったな。
こんな可愛い子にあたるなんて。
また会いたいなぁ~
携帯番号教えてよ。」
と言ってきた。

ベットにうつ伏せになったまま
手だけ伸ばして金を受け取り、

『同じ相手とはやんないから』
と冷めた目でそいつを見ると

「え~!!残念~~。
もし気が変わったら連絡頂戴」
とメモを枕元に置き、
そいつは出て行った。

その紙を握り潰しゴミ箱に捨てる。

誰が会うかっつ~の。

マジうざい・・・


僕はベットに仰向けになり

何人に抱かれたか
思い出そうとしたけど

覚えてない・・・


数えてたのは金の数だけ


あといくら・・・?

『ククッ・・』
笑いがこみ上げてくる。

何やってんだろう?

好きな人を抱くために
他の男に抱かれる・・・

繭の気持ちがわかるかと
思ったけど・・・

全然わかんないよ。

何で同じ人とすんの・・・?


『・・ぐっ・・・・・・』
吐き気がして体をうつ伏せに
もどすと目の前に金がある。

僕の値段・・・

その金を握りしめ思ったのは

ダメだ・・・
こんなんじゃ・・・

埒が明かない


若い奴は金持ってない。


自分を高値で買う相手は・・・?

何をしたら高く売れる・・・?



僕は壊れていた。


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