【 LOVERS 】
ここ2週間ホテルの一室で
本業の仕事に没頭していて、
外には原稿を待つ関係者が
並んでいる。

最後の原稿を渡して
やっと一息つくと
あの日のことを思い出す。

あれから稜からの連絡が
なく、気になっていた。

稜の働いてるホテルの
最上階で仕事をしていた時、

稜の気持ちがわかって、
ちがう・・・
その前から気づいていた
稜のオレの見る目が熱を
帯びていたし、あきらかに
援助交際の相手に嫉妬
しはじめていたから・・・

オレの気持ちを正直に言うと
稜は大粒の涙を流し、
ひどく悲しい顔をした。

稜の目を見て本気だという
ことがわかった。

稜がオレの首元にいきなり
キスをしてきて、

『いやだ繭・・・
そんなkissマーク
僕に見せないでよ!!
いやだ!いやだ!いやだ!』

稜はオレをベットに押し倒すと

『繭を買わないとダメなの?
だったら僕が買うから!!』

泣きながら強引に
服を脱がせようとする
稜を静止させるために

「500万だよ」
稜の手が動きを止めた。

『・・・500万?』

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