【 LOVERS 】
『お待たせしました。
ブルーマンディです』

とバーカウンターの女性客の
目の前にグラスを置くと

「綺麗・・・」
と言い、うっとりとグラスを
眺めている。

その隣に座ってる男はその彼女を
嬉しそうに見ていた。

照明に照らされたブルーは
幻想的で本当に綺麗だった。


手首の傷も癒え、ようやく
繭に連絡をとることができた。
本当はデートしたかったけど
仕事だからしかたない。

援助交際だったらと思ったけど
もうそれは考えないことにした。

今日仕事が終わったら

繭に会える。


「稜くん、何かいいことあった?」
とオーダーを言いにきた
茜ちゃんがカウンター越しの
僕に声をかけてきた。

いつもだったら、
『ん~ん別に・・・』っと
言う僕だけどこの時は

『うん。ちょっとねっ』
そんな自分に少し笑ってしまった。



もうすぐ繭に・・・


もう繭を困らせたり
しないからね



だから最後に・・・

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