恋愛の国のありす
「ね、ちょっといいかな」




急に喋りかけられて、ビクッって肩を震わせちゃった。




ちなみに今は、教室。




「は、はいぃ!!」




「あはは。覚えてる?奈美のこと。」




奈美…?




確かこの子、幸田奈美子って名前だったよ…ね?




「あ、奈美ちゃん!?」




「ふふ、そう。やっと気づいてくれた。幼稚園以来だよね」




奈美ちゃんっていうのは、幼稚園の頃親友で、小学校が離れちゃったの。




「奈美ね、小学校はセイバートだったんだ。幼稚園の時に編入受けて。見事合格!みたいな」




「へー。奈美ちゃんって頭よかったんだ。あたしなんてもう全然」




「え、でも高校からセイバート受ける方が断然難しいでしょ」




不思議がる奈美ちゃんに、今までのことを全て話した。




「え、嘘!!じゃあ今は琉架くんと二人?」




「そーなのぉ」




「じゃあこの学校が寮制だって事に感謝だね」




「…へ?寮制?」




「知らなかったの…?」




「うん…。理事長のとこに住むって以外聞いてない…。」




「マジで!?もう、お母さんったら…」




「えぇ!?理事長って奈美ちゃんのマミーなのぉ!?」
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