『遠・距・離・恋・愛』
「健吾……、先生……」



ミキは、二人の元に歩いて来る。



自然と健吾の隣にミキが行き、三上は入れ代わる様に扉の方へ歩き出す。



「先生!?」



呼び止められた三上は足を止め、振り向くことなく口を開いた。



「原田に言ってなかったな。俺、教師辞めて実家の会社の跡を継ぐことになった。」



「……」



「そして落ち着いたら、千里を迎えにいくよ。」



「「えっ!?」」



俺とミキは口を揃えて口にした。



「まだお互い想ってる人はいるけど、時間が気持ちを癒してくれた時、もう一度千里とやり直そうと思う。千里もそう言ってたんだ。」



千里さんも、先生もそんな事を考えてたんだ……。



「もう先生じゃないけど、次に上田に会う時は笑顔で会おうな?」



「先生…」
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