『遠・距・離・恋・愛』
「着替えたいなぁ〜…」



助手席からため息混じりにミキは呟く。



少し頬を膨らませるなんて、子供っぽくて笑いたくなる。



「ごめんな、ミキの卒業祝いなのに俺がワガママ言ったから…」



そう言いながらミキに申し訳なさそうな顔を見せた。



まぁ……、嘘だけど。



「止めてよ…。健吾にそんな顔されたら何も言えなくなる…」



「今日でミキの制服姿も最後だから、制服デートに憧れてたんだ〜♪」



「もぅ、なんかヤラシイ…」



「男はみんなヤラシイの〜。今日はデート楽しもうな?」



「うん。」



半分納得してない様子のミキの髪をクシャクシャにした。



二人を乗せた車は市内の水族館へ向かった。
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