『遠・距・離・恋・愛』
白いテーブルクロスを敷いた上には、大きなキャンドルとミキの好きなマーガレットの花を一輪花瓶に挿してあり、ワイングラスが二つ置いてある。



キャンドルの柔らかな火が優しく部屋を燈している。



「こんなのキザかも知れないけど、ミキの心に残る卒業の日にしたかったんだ……」



「ありがとう…」



そのままミキを席に座らせ、俺はそのままキッチンへ向かう。



次々にテーブルの上に料理が来る。



グラスに俺はワイン、ミキには大好きな林檎ジュースを注ぐ。



その光景を黙って黙って見ていたミキは口を開く。


「もしかして、この料理全部健吾が……?」



「そ。正直、苦労したけど楽しかったよ。もしかしたら料理の才能あるかも」



「すごい。前は野菜を切ることも危なかったのに……」



皿の上に盛られた料理を見ながら関心していた。
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