『遠・距・離・恋・愛』
俺がもう一度プロとして認められる最後のチャンス―――



ただ、命の保証も、いつ帰れるのかも分からない中、


ミキのことを想えば簡単に答えが出なかった。



そんな気持ちを見透かしてたミキが俺に言った“別れ”。



自分の気持ちを押し殺してまで言った嘘。



その時と今も同じ顔をしてる――――



「ミキは嘘を付くのが下手くそだな」



「嘘ついてないもん…」



「知らない?ミキは嘘を付く時耳が赤くなってるんだよ…。今も、ほら?」



「えっ……?」



嘘を付いた仕返しに、ミキの耳に口づけた。



初めてされたのか、ミキの身体が固くなった。
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