『遠・距・離・恋・愛』
ミキの身体をゆっくりとベッドに置く。



まるで壊れ物を扱うような優しさ―――



ミキの瞳には俺、



俺の瞳にはミキ…



互いの愛おしい人だけしか見えない。



「緊張してる…?」



「ぜんぜん……。初めてなのに、すごく幸せな気持ち…キャンドルのお陰かな………?」



ミキの上に覆いかぶさる俺は、


とろんとしたミキの瞳を見ながらスーツのジャケットを脱ぐ――――



互いの手を握り、指を絡め長い長いキスをする……



この日の夜、初めて結ばれた甘い夜―――。



その日は“世界中の中で自分が一番幸せ!”だと胸を張って言える日だったと、何年か後にミキから言われて知ることになる―――。
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