『遠・距・離・恋・愛』
『…………』


『…………』


二人が会話してるのは分かるけど、何を話しているのか聞き取れない距離に俺はいた。


アイツとミキの事はもう終わったはず。


俺も、いつまでもここで待たずにミキの所に行けば良いだろ…?


行って、ミキの肩でも抱きながらアイツと三人で話しする余裕を見せ付けてやれば良いじゃないか?


…………………。


でも、頭の中でそう思ってても 身体が動こうとしなかった。


黙って二人を見てるだけ。


本当…、俺 情けねぇ…。



「あれっ、健吾さん?」


校門の所で待ってた俺に話しかけてくれたのは、若菜ちゃんの彼氏、俊一君だった。


「やっぱり健吾さんだ。教室からバイクが見えたから、もしかしてと思いましたよ〜。」


「そうか…、確か俊一君は隣の男子校だったもんな。若菜ちゃんに会いに来たの?」


「勿論です!俺達の学校も卒業式なんだけど、抜け出して来ました♪」
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