ヤンキーは元シンデレラ。
「てめぇの名前は?」
あぁ―…
やっぱり仲良くなってもヤンキーの口調は変わらないのね。
「あたし?」
「お前しか俺は喋ってねえよ!!」
ひいぃぃ・・・
やっぱり怖いぃ―…
「えと―…秋野川夕美です。」
「秋野川夕美?じゃあ夕美か。」
夕美?!いきなり呼び捨て?!
いや、別にいいんだけど…
っていうかそっちのがいいんだけど―…
『シンデレラ』って呼ばれるよりは―…。
「じゃあ、夕美。俺のことは瀧でいいよ。」
瀧―…。
「今から俺んとこついて来い。」
腕を握られてひっぱられた。
痛い、痛い、痛いですよ。
瀧サーン…。
あたしたちは教室を出てただ廊下を歩き出す。
腕を離してくれるもようなし。
「ねぇっ!どこに行くの?」
あたしが訊くと瀧は
「仲間んとこ。」
って言った。
仲間あぁあぁ?!
仲間ってまだヤンキーがいるの?!
あぁあぁああ―…。
逃げ出したい。
ただでさえ瀧が怖いのに
「着いた。」
やっと腕を離してくれたと思ったらそこは訳の分からない部屋。
『第2文庫室』
第2文庫室って―…。
ヤンキーのたまり場ですか?
ガララッとドアを開けると瀧だけが先部屋のなかへ入っていった。
話し声―…。
何人もの声がする・・・
いったい何人いるんだろ
「どうだった?転校生は。」
「上出来。ヤンキーだったぜ。」
「まじで?俺らの族いれんの?」
族ウゥゥウウ?!
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