大好きな人ができたときに読むお話
その日は夜中の練習ということもあって、人は少なかった。だがもちろん、美紀はみんなの注目を集めた。

「おい、あの女何?」

「バイト先の」

「付き合ってんの?」

「今日初めて話した」

「はぁ!?」

美紀は相当いい女らしい。俺はみんなから質問責めで、練習どころじゃなかった。俺はだんだんイライラしてきた。

「てめぇらうるせぇよ。マジ萎えたから帰るわ。美紀、帰るぞ」

「はーい」

美紀は嬉しそうにまた俺の手を握った。俺はまたドキドキした。最悪だ。でも最高だ。
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